太宰治の創作スタイルの一つの特徴である、パロディーの技法が駆使されている傑作である『お伽草紙』が、語りのスタイルと相乗効果を発揮されることによって、より魅力的な作品になっていることを解き明かしていきます。パロディーの技法を語りのスタイルを相対化するために、井原西鶴に題材を取った『新釈諸国話』と『聊斎志異』に題材を取った作品も扱います。